蜂谷の机のそばに立っているのは、やっぱり女だ。
机のなかを物色しては教科書やノートを取り出し、破り捨てている。
犯人を捕まえるために、蜂谷はわざとそれらを机のなかに残していた。
「………?」
こちらからは後ろ姿しか見えないが、見覚えのある髪型や髪色に目を疑う。
まさか、そんなはずがない。
何度も言い聞かせるけれど、犯人がわずかにからだを動かした瞬間、ほんの少しだけ見えた横顔が疑惑を確信へと変える。
小窓から犯人の様子を伺うだけで何の反応もしない俺に、蜂谷がとうとう痺れを切らせた。
「蜂谷……っ!」
気づいたときは遅かった。
蜂谷は俺を押しのけ、勢いよく引き戸を開けてしまった。


