「じゃあなー蜂谷ちゃんー」 ハンカチを乱雑にスカートのポケットに押し込んだ蜂谷に手をひらひらと振ってみれば、 「“蜂谷ちゃん”って言うな!」 蜂谷は怒り心頭な様子で、ドスドスとわざと大きな足音を立てながら教室を出て行った。 蜂谷と磯辺が行ってしまったあと、入れ替わるようにやって来たのは別のクラスの女子だった。 「あ、いたいたぁ~」 猫なで声をあげながら、帰り支度をしていた俺のもとに駆け寄ってくる。 たぶん彼女は同級生で、俺の取り巻き集団の1人だったはずだ。