たかが、マフラーだろ。 俺にとってはトラウマであっても、蜂谷にとってはそうじゃないかもしれない。 でも、だけど。 遠い昔、俺が君を殺してしまったことは、事実なんだ。 「……っ、もういいでしょっ」 無理やり蜂谷がからだを引き離した。 「どうしたの? 何かおかしいよ?」 「…………」 「あたし、何かした?」 心配、と言うよりも、責め立てるようにして蜂谷は訊くけれど。 俺は何ひとつとして答えられない。