涙が出そうになった。 でも、僕は涙を流せない。 あのときと同じだ。 最初に出会った、あの時代と。 死にゆく僕を、君は毅然とした態度で見ていた。 今度は逆だ。 死にゆく君を、僕は冷静に葬ってやらなければならない。 「………」 両手首に縛り付けられている縄を確認する。 縄は皮膚に食い込んでいて、両手はすっかり血の気を失っていた。 ……なんでもありなんだ。 もはや君は、人間として扱われていない。