「風邪ひくしな。あとは俺にまかせとけ」
俺が気遣ってそう言うと、蜂谷は「そうじゃない」と言う。
「夜の学校って、怖くない?」
ガラにもないことを突然言った蜂谷に、ドキッとした。
「とくに、トイレだよ? 苦手なんだよね、あたし」
こんなにも素直になってくれたのは、“犯人探し”という共通点のおかげだろうか。
蜂谷が嫌がらせを受けているっていうのに。
でも、それがきっかけとなって、蜂谷との距離が少しずつ縮まっているような気がした。
「俺がいるから大丈夫だって」
はっきりとは見えない蜂谷の髪を優しく撫でる。


