それにしてもこの状況……、正直つらい。
せまっ苦しい個室に、蜂谷と2人きり。
フタを閉めた便座に腰掛けた蜂谷は、暇を潰すかのように肩まである自分の髪の毛をひたすらいじっている。
俺は壁に背をついて、そんな蜂谷を眺めたり、ボケーッとトイレの天井を仰いだり。
何もすることがないこの状況がつらいわけじゃない。
……理性を抑えることが、つらい。
陽が落ちるのが早い真冬。
個室に篭ると、あっという間に暗くなる。
かろうじて互いの顔が分かる暗さなのだが、つい……よからぬことをしでかしそうになる。
「……もう帰ろうかな」
暗くなると蜂谷は決まって言う。


