俺を取り囲んでいる女子たちのなかに、犯人がいるって決まったわけじゃない。
だけど、慶太と笹倉さんの言葉を思い出してみれば、蜂谷を恨む理由はそれしか思いつかない。
どんよりと重くなってきた俺の心とは対照的に、校庭からは楽しそうな歓声と花火の音が聞こえてくる。
「――ちょっと。ひとの靴持ってなにやってんのよ、このストーカー」
すっかり耳についてしまったあの冷ややかな声が、俺の頭上に降ってきた。
「蜂谷……っ」
心臓がどくりと音を立てる。
このボロボロになった靴。
蜂谷を傷つけずにどう説明するか、まったく考えていなかった俺は言葉に詰まる。
しかし蜂谷は、そんな俺のことなどおかまいなしに自分の靴をひょいと奪い取った。


