蜂谷の黒い革靴は、カッターのようなもので引き裂かれている。
もしもこれが自分の靴だったら、と思うと、間違いなく心が折れそうになるだろう。
「……蜂谷はどこにいる?」
「……わかんない。でも、靴、捜していると思う」
親友の蜂谷が嫌がらせをされたことがショックだったんだろう。倉田は肩を震わせながら泣き始めた。
「どうしよう……、麻友に渡せないよ、こんな靴」
「泣くなって。この靴、俺が蜂谷に渡すから」
「でも……っ、この靴見たら、麻友、傷つくよ?」
「俺らが勝手に処分するわけにもいかないだろ。大丈夫。蜂谷のことは絶対に傷つけないから」


