「それ、靴?」 そう尋ねながら近づくと、倉田は慌てて靴を自分の背中に隠した。 「倉田? だれの靴だよ、それ」 「…………」 黙り込む倉田にしつこく問い詰めると、 「……麻友の」 小さな声で答えが返ってきた。 「蜂谷の靴? なんでおまえが?」 「……後夜祭に出ようと思って靴箱に行ったら、ボロボロになっている麻友の靴を見つけちゃって。麻友、こんなの見たらショック受けるかもって……、あたし、とっさに……」 倉田の説明が終わらないうちに、俺は背中に隠された蜂谷の靴を強引に奪い取った。