――……律は、どう思ったんだろう。
次に浮かんだのは、律の存在だった。
これで律が、俺が求めていたものと違う答えを口にしてしまえば、蜂谷がカヤである確率はずいぶんと高くなる。
これから家庭科室に行って、明日の準備をしなきゃいけないのに。
俺の足は、律のクラスへと勝手に走り出す。
走りながら、頭のなかで暴走する妄想。
“あの曲、どうだった?”
そう訊く俺に、律は笑いながら
“そうね、すごくいい曲だったわ。はじめて聴いた”
いつものように余裕たっぷりに微笑みながら言う。
その瞬間に、俺ははっきりと言ってやる。
“おまえは、カヤじゃないな”
………って。


