ごくりと喉を鳴らしたあとに、ゆっくりと口を開いて、その名を発した。 「――……“カヤ”」 自分の直感を信じた。 カヤと過ごした懐かしさを、蜂谷にも感じた。 これまでの過去の出来事が、何らかのかたちで現世に現れている。 そして何よりも、俺と同じ手のひらのアザ。 自ら名乗り出た律は、カヤじゃない。 どんなに一致する条件を持ち合わせていても、俺の感情はそれを拒絶するんだ。 なぁ、蜂谷。 おまえは、俺がずっと愛し続けたカヤなんだよな――?