律がカヤである可能性はもう、完全に100に到達してしまった。
でも、やっぱり納得しきれていない自分がいる。
単に蜂谷を好きっていう気持ちだけじゃない。
蜂谷にもある手のひらのアザ。
それに、初めて蜂谷と出会ったときに感じたインスピレーション。
もしも律がカヤであるのなら、カヤの手がかりを兼ね備えた蜂谷の存在っていったい何なんだろう。
文化祭の準備で学校を出たのは夜の7時過ぎだった。
「一緒に帰ろう」と誘ってきた女子を断り、家が反対の方向にある慶太と玄関で別れ、校舎に背を向けて歩き出したときだった。
「………?」
音楽室から、軽快なリズムのピアノ曲が聴こえてきた。


