「わたしと瑠衣は結ばれなかった。

だんだん絶望的になっていったの。どうせ今回もダメなんだって。それなら、黙っていたほうがいい、突き放したほうがいい……って」


「……だったらどうして、今になって……」




決定的なことを突きつけた俺に、律は少し間を置いてから口を開いた。




「……ここが自由で平和な世界だったから。この世界でなら、わたしと瑠衣はきっと結ばれると思ったの」


「…………」




律の言うとおりだ。

これまでとはちがう、平和な世界。

そして、そこには自由もある。