青い星と青虫と


阿狼は座るのにちょうどいい大きさの平たい石の上に持っていたタオルを敷いて、小夜に座るように促した。

そして、自分はその隣にある石の上に座った。



「私の本当の姿は記憶の中で見てご存知ですよね。
今も、体のまわりが光ってしまってあなたには隠しようがない。

この世界の人間には見た目どおりの27~30才くらいの男に見えているだけです。
人間に化けるとこうなってしまうんです。
キツネ妖怪ほど変化はうまくなくて。」



「ねぇ、だったら学校には先生として入ればよかったんじゃないの?」



「それが・・・私はもともと武人ですから学問を教えるなどというのはおこがましいというか、無理です。
かなり特訓した結果が、生徒会長でいる相楽阿狼なんです。
でも、やはり無理があって・・・お恥ずかしいです。」



「私は楽しいですよ。
1日でいろんな阿狼さんが見れちゃいましたから、ちょっとルナドルートに行くのが楽しみになりました。」



「ひ、いえ小夜ちゃん・・・。わかりました。
明日の放課後にルナドルートへ行きましょう。」



「あの、1つだけ質問があるんだけど・・・ここに来るまでにどうして私の前に現れなかったの?」



「いましたよ。それとなく・・・。
けれど守る必要がなかったというか。
そっとしておく方がよかったというか。

ルナドルートの王族の力が目覚めるのは日が決まっているんです。
16才になった年の7月1日もちろんルナドルートの暦でですけど。」



「ってことはもしや、今日がその日とか?」



「ほんとに察しがいいですね。そのとおりです。」