お昼休み、予想通りというか当たり前というか、両親が笑顔いっぱいでお弁当を開けていた。


「なんかおじゃまみたいね・・・」


「何言ってるんだ!看板娘がいなくて、さびしかったんだぞ。」


「さびしいのはお母さんがいないからでしょ。
もうここに来るまでに見え見えなんだもん・・・」



久しぶりの親子水入らず・・・30分。



「ああ、少し時間あまっちゃったよ。
いくら書記だっていっても1年はこういうときヒマだなぁ。

あれ?あれあれ?体育倉庫の裏で寝そべってる人って・・・。」



小夜は地味な風貌に新聞をかぶってサングラスをしている人物を見つけた。

そっと新聞をずらしてみる。



「すみません・・・もしかして私がよく知ってる人じゃないですか?」


「いいえ、人違いですよ・・・って。あっ!」




「あろ・・・」

小夜が声を出す前に勢いよく口を手でふさがれてしまった。



「小夜さん、すぐにもどって。その格好で来られるとまずいです。
今日は長丁場なんで、なるだけこの姿でいるしかなくて。」



「すみません、裏事情大変なのに・・・。
あの、私は今の方が・・・好きです。
ごめんなさい!!」



小夜は走って自分のクラスの場所までもどっていった。