紫音の言葉と反撃の強さに、阿狼ははじきとばされた。


「くっ・・・。なんてパワーだ。」



「阿狼、おまえのような甘ちゃんでは姫は守れない。
かといって姫その人も落とせまい。
だから、俺がいただく。」



「そうはさせるか。小夜さんはそんなやり方で生きていく人じゃないんだ!
絶対におまえには触れさせない!」



小夜は2人の物凄い戦い方に恐怖をおぼえ、力いっぱい叫んだ。

「もう、やめて。やめなさいぃぃぃぃぃーーーーー!」


阿狼の体が吹き飛ばされ、池に落ちた。


「ふふふ。姫のお仕置きの直撃か。
勝負あったな・・・。ええっ!???」



小夜は池の方に全力で走っていった。


「阿狼さぁーーーん。」



池の真ん中からかろうじて岸にたどり着いた阿狼に小夜は手をのばした。


「ごめんなさい。ほんとにごめんなさい!」



「また、私がお仕置きされるとは・・・。
そんなに嫌われているなんて。」




「違う。違うの!阿狼さんが優しいから。
阿狼さんが好きだから、守護能力が当たってしまうの。
怪我をしてしまっても、私が命をかけて治すから・・・。

紫音さんの胸と腕を動かせるように治してあげただけなの。
信じてもらえないかもしれないけど・・・。
私を信じて・・・。信じてください。」