私は母がガーデニングという自分の趣味を考えていたことを知って、自分は何も知ろうとしなかったし、やりたいと思うことも考えなかったことを後悔していた。


だったら、確かにこの町を知る情報を得るのはいいかもしれない。


とりあえず生徒会執行部を見学させてもらうことにした。



中家先輩に連れられて生徒会室に行くと、3名の役員の生徒がいた。


「あら、新入りさんいらっしゃい。
やる気がある人は大歓迎よ。

私は家が農家なんだけど、どうしても女子がいないとって言われて副会長になった3年の松川千夏よ。

ごめ~ん、これから家の手伝いがあるから今日はこれから帰らないといけないの。
あなたがきてくれたら、私もこの先楽しみだわ。
じゃあ、がんばって。お先にぃ~~~~~」



少しそばかすが見えるかなっという顔が農家の娘の印象だったが、目鼻だちといい、スタイルといい、美人としかいいおうのない副会長だった。



そして、中からひときわ大きなどなり声がしてきた。



「先月のトイレ洗剤の発注量は何なんだ!
あんなにケチってくれたらきれいにできるところもきれいにならないぞ!

今月は1本は多く洗剤買ってくれよ。」


そう怒鳴っていたのは美化部長の桜野波人だった。
2年生ながら整理整頓のマメさをかわれて美化部長に選ばれたらしい。





そしていちばん奥に連れていかれた小夜は不思議なオーラを発している人物に出会った。


((何だろう・・・この感じ。
懐かしいような、新鮮なような・・・そして物悲しい。))


「私が生徒会長の相楽阿狼です。」



「さがら あろうさん?変わったお名前ですね。」



「よく言われます。長浜小夜さんは大切なものお忘れのようだ。」



「え????」