よくよく考えてみれば、小夜も納得するしかないことだと気付いた。




「そういえば・・・結婚式していないものね。
そのあとのことはしちゃったけど。うふふっ」




にやけた顔で控室の鏡をのぞくと、少し驚いた表情の阿狼がいた。



「阿狼さん、どうしたの?」




「いや、べつに・・何でもない。
ほんの少しの間、離れていただけなのに、ほんとに美しくなられたと思って。」




「もう、また・・・やだ。もう・・・阿狼さんってば。
不束者ですが、よろしくお願いいたします。王様・・・。」





「こちらこそ。ずっとあなたを守っていきます。
言葉は、あなたが生まれたときから変えることができずにいたんですから、もうちょっと待ってください。

愛しています・・・小夜。」




「はい、私もです。王様。」




それから10年後、ルナドルートには日本の青虫のついた野菜が見かけられるようになったとか・・・。
















おしまい~