阿狼が来るなと再度言い終わらないうちに、小夜は阿狼のそばに現れて、阿狼を抱きしめた。



「ぬぉっ!小夜・・・やっと会えたと思ったら何をする!
もう手遅れだぞ。にわか創りの王など大したことはないな。
回復などもうできぬほど弱っているはずだ。」




「そうかしら。にわか創りだろうが、インスタントだろうが王家のトップはこんなことでつぶれたりしないわ。
少し目覚めてないところがあるだけよ。

じゃ、仕上げのキスよ。チュッ」




「戦闘中に何ということを!余裕などないくせにバカか・・・おまえたちは。」



「バカかもしれないな。私たちはバカップルになってしまったからな。
さて・・・癒しと力もバッチリだし、肩コリだったのはおまえが吸い取ってくれたしな。絶好調かもしれん・・・行くぞ!

はぁぁぁぁあぁああ!」




阿狼が剣を抜きギガフの首めがけて斬りつけた。



「フン、剣技など・・・ん?これは・・・うぐっ!!!」



「剣はもともと私のワザ。しかしな、剣を取り巻く白い光はおまえの崇拝する姫の愛の力だ。先に魔力を大量に吸収したおまえにはつらいだろう?」