ライトに青白く照らされた水槽を、熱帯魚がユラユラ泳ぎ回る。 あの水はきっと、生温く、それでいて少しばかり甘いのだろう。 あぁ、僕も魚になれたら。 あの甘い水に溶けていられるなら。 いや、昔は自分も魚に近い存在だったのだ。 あの楽園のような母の子宮には、もう戻れないけれど、あの羊水も甘かっただろうか。