1人、ニヤニヤとネイルについて考えてると、伊吹お兄ちゃんは「また長くなるぞ…」と、顔を真っ青にした。



「あのね。専門時代の時と違って、今はパソコン作業があるから伸ばせない!」



「どんだけ長かったんだよ」



歩斗が間髪入れずに訊いて来た。

私は「これより1センチかな?」と、曖昧に答えながら、リビングにあるチェストから、自分でデザインしたネイルのアルバムを出して見せた。

モデルは、自分や母親。

友達にご近所さんにして貰った。



「この長いのが、ひま?」



「そうだよ。家事をする人は、最悪5ミリって決めたの」



自然に伸びる範囲だから。