嵯峨さんは「大歓迎よ!」と、財布を持った。

キッ!と、武井さんを威嚇し、課を出る嵯峨さんを追い掛け、最上階にある、レストランにも似た社員食堂へ。

日替わりランチを頼み、窓際の席を取ると、嵯峨さんは「たく、あいつは…」と、漏らす。



「武井先輩と、付き合い長いんですね」



「…何かその訊き方に違和感が」



「え?」



「私、誰にも話してないんだけど、武井…歩斗とは義姉弟なのよ」



「義理?」



「うん。旦那が歩斗の弟」



「う、そ……」



大声は出せない事な為、私は口を押さえた。