「――望月 菜摘だ。」 ――…息が、止まるかと思った。 どこか自信はあったものも、自分の演技を認められたのは、とてつもなく嬉しくて。 この瞬間、落ち込んでいる子がいるのにも関わらず、思わずガッツポーズで立ち上がる。 『頑張ります…!』 落ちた子がいるとか、悲しんでいる子がいるとか、私は気にしてられないよ。 だって、それが演劇だから。 負ける覚悟を決めて、私も一生懸命練習してきたから。 私はその子の分まで、白雪姫を演じてみせる。