「みんな、もう少しで本番だ。」 大介くんのかけ声に、みんなが一つになる。 白雪姫、王子様、魔女、鏡の精、人数の関係でたった1人のこびと。 そして、1人で音響と照明をやってくれた裏方さん。 みんながみんな、自分の役割を果たそうと真剣な表情をしていた。 「いつも通りにやれば、大丈夫だから。」 ――この大会で、私たち3年生は最後になる。 演劇は運動部とは違うけれど、私たちにとってはスポーツで。 負けられない戦いが、今目の前にあるんだ。