――次々とキャストが発表されてゆく。 継母役に、こびとに、鏡の精…。 そして残るは、主役である白雪姫と、その相手の王子だけになっていた。 「…では。王子役を発表する。」 コホン、と。 先生がわざとらしく、咳なんかするから。 今までザワザワしていた部員も一気に黙り、先生へと視線を集中させる。 非日常的な緊張感が辺りを漂っていたけど、発表する必要もなく、王子が誰かなんてわかりきっていた。