大介くんが、足を一歩踏み出した。 そんな大介くんの腕を掴み、私は行くてを阻んで見せる。 『……私が行く。』 本当はこういう時、彼氏である大介くんが行くものなのかもしれないけど。 今行かないと、私たちの友情までもが壊れてしまうような気がした。 ……大丈夫。 そんだけ想われてれば、芽衣と大介くんは自然と上手くいくから。 今だけは、私に良いところを見させてよ。 「……。」 大介くんは腑に落ちないような顔をしつつも、静かに頷いたから。 私は、見えないはずの芽衣の背中を追ったのだった。