後輩が大きく声を上げたのは、次の瞬間だった。 「――芽衣ちゃん先輩…!」 ガタンと、椅子が上下に大きく揺れた音がして。 慌てて椅子の方へと視線を向けるも、既に抜け殻。 後輩の視線にたどってみたら、泣きそうな顔をして部室から出て行く芽衣が見えた。 『……。』 傷ついたんだ。 本当は私と大介くんが抱き合うのも辛かったはずなのに、キスなんかしたから。 自分の彼氏が友達とキスするところなんて、普通見たくないもん。