私はキスしたのだって、そんなに嫌じゃなかった。 だって私は、大介くんが好きだから。 「……ごめん。」 ―…ねぇ、だから、そんなに顔を歪めて悲しそうな顔しないでよ。 心の底から申し訳なさそうに、謝らないで。 私は、平気だよ。 『全然、大丈夫だよ。』 申し訳情け程度に、小さく笑顔を作ってみた。 嫌じゃなかったのに、困ったように笑って。 本当は私、私よりも傷ついてる人を知っている。