王子様である大介くんが、顔に覆い被さった私の髪を、優しく払いのける。 少しだけ触れた、大介くんの白い手袋越しの指先。 触れられたところだけが、熱くなる。 『……。』 ―…本当に、事故だった。 故意でやったわけでもなんでもなく、本当にただのアクシデントで。 けれどもわずかに、思考が停止してしまったのは事実。 『……。』 ドクン、ドクンと。 大介くんの顔が近づくたびに、私の心臓がリズムよく高鳴る。