大介くんにだけには私、“可愛い”と言われたことがない。 「うーん…。」 困ったように、曖昧に笑って。 肯定はせずに、適当な言葉で濁して。 それが彼カノだから、当たり前と言えば当たり前なんだけど。 「芽衣がドレスを来ても、似合うと思うよ。」 大介くんは、まるで「望月より芽衣の方が可愛いよ」とでも言うように、 芽衣の髪を撫でながら、優しく微笑んだ。