“可愛い”なんて、小さい頃から言われ慣れてきた。 親や友達、先生に男子にクラスメート。確かに顔だけは、私は良い方かもしれないから。 “可愛いね” だけど私は、この言葉があまり好きじゃない。 「ねっ、大介!」 芽衣が、芽衣のチャームポイントであるえくぼを見せながら、大介くんに同意を求めるから。 私の心臓は、思わず一瞬だけ止まったかと思った。 でも彼は決して、私の望む言葉をかけてはくれないんだ。