芽衣が、心配そうに私を眺めているのが、視界の隅でわかる。 こんな顔、特に芽衣の前ではしちゃいけない。 心配なんかかけさせるほど、私の気持ちは良いものではないから。 私の気持ちなんか知らずに、純粋に私を気にかける芽衣を見ると、どことなく胃が痛い。 「…菜摘は、美人で可愛いからさ!きっと衣装のドレスが似合うよ~。」 ―…芽衣なりの気遣いと、優しさ。 そして、芽衣の笑顔。 わかってはいるんだけど、なんとなく笑顔になれる気にはならない。