このセリフで、物語は終わり。 王子様と白雪姫は抱き合い、幕を閉じることになっている。 なんとなく、今日は調子が悪い。 「望月、なにかあった?調子悪くない?」 …しかも、大介くんにそれを言われてしまったし。 心配そうに顔を覗き込んでくる大介くんに、私はかすかに微笑み返すことしかできない。 セリフを言うのにドキドキしたなんて、言ってられない。 演劇に恥ずかしさは皆無だから。