私は、白雪姫を演じてみせるよ。 部のため、優勝のため、県大会に進むため。…自分のために。 「…仕方ないよね。」 そう言って、いつものテンションより低く、少しだけ悲しげに芽衣の瞳が揺れていたのを私は気づいていたけど。 あえて、何も触れないようにして。 『ごめんごめん。』 私はいとも簡単に、笑顔を作った。 ……お願い、芽衣。この時だけだから。 私が彼の“お姫様”でいるのを、許してね?