梅雨に到来した6月中旬、私たちのクラスに可愛い女の子がやって来た。 「転校生の、春川円香ーハルカワマドカーさんです」 「春川円香です。家の都合で来ました。卒業までの短い間、よろしくお願いします!」 「「「『よろしくー!』」」」 飛鳥の妹には負けるけど、可愛い可愛い。 仲良くしてあげようじゃないか! 女子生徒は、私と彼女の2人なんだから。 「春川さんの席は……あそこですね」 「はい!」 平塚先生が指差したのは、哲司の正面。 微妙な位置だ。