どうしよう。

 どうしたら……。


「んーっ!んんーっ!!」


 くぐもった声を外に聞こえるよう、気付いてもらえるよう、出来るだけ大きく出してみた。

 “樹里もやってみようよ”

 そう思いながら、もう一度首を左に向けてみる。

 樹里の動きは、さっき首を左に向けて見た時と、たいして変わってない。つまり、一ミリも動いてない。気を失っている……と、一瞬思ったけど……違う。


 ……死んでいるのだ。


「んんーっ!!!」


 目の前の状況が、理解出来ない。

 樹里が、死んでいる?うそ。うそ!うそ……っ!これは夢だ!私は悪夢を見ているんだ!目を覚ませ!私っ!

 じたばた、じたばた。精一杯、身体を動かした。暴れた。もがいた。

 助けてと、叫びたい。ここから逃げたい。

 助けて。助けて!助けて……!