自殺Tube

 そう思っていた。


 情報の世界は一刻一秒を争う世界だ。


 その中に俺は住んでいる。


 そういった場合、常に動向を見据え、前に向かって進んでいくつもりでいた。


 もちろん理恵子との入籍も控えている。


 この数日間、電話で連絡を取り合っていた。


 欠かさずずっと。


 そして近いうちに入籍し、結婚生活を送るつもりでいた。


 これは別に違和感があることじゃない。


 普通に誰がしてもおかしくないことだった。


 成熟した男女同士なのだから……。


 それに理恵子は若いから、子供を授かる可能性も高いのだし……。


 俺はしばらくの間、この部屋に居続けるつもりでいた。