自殺Tube

 それに彼女にも詳しいことは話さないつもりでいた。


 確かに恋人同士でも話をしないことはたくさんあるのだ。


 別に不自然でも何でもない。


 隠し事はどんな男女でもすることなのだから……。


 そういったことは分かっていた。


 もちろん理恵子とは絶えず愛し合いながら……。


 おまけに一緒に住むことまで夢見ていたのだし……。


 俺たちの愛情はあんなソフトには妨害されないと強く思っている。


 半ば自分に言い聞かせるように。


 そして八月も終わりが近付いた。


 盛夏が終わり、すっかり晩夏となってしまっている。


 夏の疲れは暑い季節が終わるのと同時にドッと出てくるのだ。


 それは十分分かっているのだった。