暑い季節は終わりに近付きつつあり、やがて冷え込み出す。


 結局マヤカシだったんだよな、自殺Tubeなんて。


 そう思いながら、淡々と毎日を過ごしていた。


 理恵子は八月の下旬に一度遊びに来た。


 俺も彼女が来るとは思っても見なかったのだが、来たとき、


「コーヒーでも飲むかい?」


 と言って、薬缶にお湯を沸かす。


 熱々のホットコーヒーを淹れるためだ。


 つい最近まで、冷たくして飲んでいたのだが、さすがに体が冷えるとまずい。


 ホットで淹れて、カフェインが体の芯にまで届くようにした。 


 確かに俺の住んでいるマンションは狭いのだが、トイレやキッチンなどを歩いていると、結構エネルギーを使う。


 まあ、別にそれで運動不足が解消されるわけじゃなかったのだが……。