自殺Tube

 その日の夕方の午後五時前ぐらいに、彼女からメールが入ってきた。


 <大丈夫?まだあの霊に怯えてるんでしょ?何かあったらいつでもメールしてね。じゃあ>と打ってあった。


 返信を打つため、フォームを作ってキーを叩き始める。


 <霊が怖いけど、仕方ないよ。引っ越すわけにはいかないし、パソコンだって仕事で使ってるから、買い換えるわけにはいかないし。まあ、しばらくは我慢するよ。じゃあまたな>
 

 メールを打ち終わって、送信ボタンを押し、幾分ゆっくりと構える。


 充電器にケータイを差し込み、バッテリーを補充した。


 俺自身、ケータイからメールを打つことはほとんどない。


 単に打ち方を知っているだけで、別にいつも使っているわけじゃないのだし、電話連絡用として持っていた。


 外部との連絡はケータイが頼りだからだ。


 固定電話は持っていないし。


 今夜は理恵子は来ないだろうと思われた。