自殺Tube

 別に未練はないのだ。


 学校という場所には。


 嫌な思い出しかないところだから……。


 俺はオヤジたちとも別れた。


 実家にはもう帰る気がない。


 その代わり、理恵子がいてくれる。


 彼女は俺にとって救いなのだった。


 一緒にいることに対し、抵抗などは全くない。


 俺はキーを打ちながら、時折手を止め、大きく伸びをする。


 キッチンに入っていき、コーヒーを淹れる準備をした。


 まあ、淹れる準備といっても、単に粉末を水に溶かすだけで、何かをするというわけじゃなかったのだが……。


 俺はエスプレッソを飲み慣れている。