自殺Tube

 学校こそ退学になったものの、元々ある程度頭のいい俺にとって、デイトレードは適職なのだ。


 取引先の人間とは一面識もなく、自由に時間を使って金を稼げる。


 俺はその日も帰宅してから、カレーを温めて食べ、またパソコンに向かった。


 マシーンを立ち上げた瞬間、俺の頭は凍り付く。


 <死>という字がディスプレイ一面にびっしりと書き綴られていて、<自殺Tubeを更新しますか?>という言葉が書いてある。


 俺はアップデートだと思ったが、拒否する形で、<いいえ>のボタンを押す。


 すぐに画面が通常のそれに切り替わり、俺は安心した。


 食事後、一度入浴していたのだが、また汗が吹き出てくる。


 俺はその日、パソコンから理恵子にメールを送った後、電源を落とした。


 そしてマシーンがシャットダウンされたことを確認し、ベッドに横になる。


 暑さで寝苦しい。


 もうすぐ八月で夏本番だ。