自殺Tube

 さすがに自殺Tubeのことはすっかり忘れていた。


 本来なら情報商材の類は書店などには置いてないケースが多い。


 その代わりネット上などではよく見かける。


 電子書籍として。


 幾分値が張るのだが、ダウンロードして閲覧するのだ。


 俺は今まで二十九年間、まるで耐えるような生活をしてきた。


 学校は出席日数が足りなくて強制退学させられたし、親とも意見が合わず家を出たからだ。


 だけど、パソコンを買ってからネットの世界で儲ける仕組みを知ったのだし、理恵子も何かとこもりがちな俺を助けてくれる。


 俺自身、過去を引き摺るようなことはしたくなかった。


 でも、未だに思い出す。


 高校三年間、自分をいじめ続けていた人間たちを恨む気持ちは今でもあった。


 あの担任の川本という男性教諭のこともムカついてしょうがない。