残しておくのには。


 まあ、別に俺自身、そういったVTRは見ることが出来ないのは分かっていたにしても……。


 そして今日も都内で、このソフトを使って自身の自殺シーンを撮影して死亡した男女が
四人いた。


 一人の女性はリストカットコースを選び、もう一人の女性は首吊りコース、そして男性二人は睡眠導入剤をODしたことによるものだった。


 俺はそれを報じるネットニュースを一通り見て、


“こんなソフトで自殺シーンを撮るなんてな”


 と思い、バカバカしいと感じている。


 だけど今の時代、相当な数の自殺者が出ていて、決して珍しいことじゃなかった。


 それに自殺を図る人間にも動機があるのだ。


 リストラされて職がない男性、世の中に絶望感を覚えて自殺を図る女性、それに興味本位で死ぬことを選んでしまう人間もいた。


 俺はこのソフトをネット上で初めて見たときに、ふっと思ったことがある。