自殺Tube

 ラッキーだったのかもしれない。


 俺はそう思っていた。


 ヘヘヘと笑った次の瞬間、背後に何かを感じる。


 きらりと光る日本刀を持った国子の霊が立っていた。


 そして一歩一歩にじり寄る。


 白刃は煌(きらめ)いていて、真剣らしく、人を殺傷する能力は十分ありそうだ。


 俺は後ずさる。


「わ、わっ、わー……止めろ、止めてくれー」


 そう言い放った瞬間、日本刀が振り下ろされ、ざっくりという音がする


 最後に見たのはホテルのフローリングにべっとりと付いた鮮血だった。


 そして近くに立ち上げていたパソコンに文字が映る。


 <日本刀による殺傷自殺、完了しました>と。


 それから先、俺の意識は徐々に薄れていく。