現に俺のブログには一日に二万ぐらいのアクセス数がある。


 俺自身、ずっとパソコンの画面に見入り、キーを叩いたりマウスを弄ったりしながらいろんなことを感じていた。


「変な気起こさないでね。それに、どうせこの手のソフトはインチキの類だろうし」


 理恵子がそう言って、まるで俺の方をバカにしたような目付きで見る。


 俺は返答のしようがなかったが、熱々のコーヒーを飲む彼女の顔を見て思った。


「俺もバカなもの買っちゃったな」と。


 考えてみれば、自分が死んだときの映像など、自分で撮っていても見られるはずがない。


 実に馬鹿げたことだったと、今でも思っているが……。


 その日、俺は理恵子と体を重ねた。


 抱き合いながら、濃密なひと時を過ごす。


 俺自身、彼女の体を求めた。


 執拗なまでに。