自殺Tube

 一瞬狂いそうになり、叫び声を上げた。


 金切り声が俺の苦しみを象徴している。


 そしてそれから何を言うこともなしにケータイを閉じた。


 ネット社会の恐ろしさはここにあるのだ。


 目には見えない陥穽(かんせい)が。


 俺自身、恐怖感を覚えている。


 霊はどこまでも追いかけてくるだろう。


 逃げ回っても。


 たとえ山の奥に逃げようが、絶海の孤島に逃れようが。


 仮にパソコンやケータイから離れても、あの自殺Tubeから派生した黒髪の女の霊は付いて回る。


 おそらく古井戸に身を投げ、自殺を図った女性だろう。


 俺の勘が正しければ、ここ新宿区近辺にあった昔の井戸を除霊することで、これ以上自殺Tubeの被害者が出ずに済むものと思われた。