あの世に行ってしまえばもう終わりだ。


 そして俺は都内の斎場の一角を借り切って行なわれた理恵子の葬儀に参列する。


 ただ悲しいだけで、それ以上に思うことはないのだった。
 

 愛する人との死別がこれだけ辛いということは頭にあったのだが……。


 八月が終わり、九月に入る。


 少し気温が下がったかと思ったらまた上がったりするような、不安定な気候だった。


 相変わらずデイトレードをする。


 理恵子を失ったことで、しばらくは放心状態が続いていたのだが……。