自殺Tube

 あのソフトを理恵子もケータイにダウンロードして持っていたのだ。


 病院内はアルコール消毒液のにおいがする。


 あまりいいものじゃなかったのだが、医師や看護師などは普段からずっとこの手の臭気は嗅ぎ分けているものと思われた。


 病院でも地下にある薄暗い場所に理恵子の遺体が置いてあった。


 顔には白い布が被(かぶ)せてある。


 看護師からそれを取ってもらい、彼女の死に顔を見た。


 真っ白である。


 数日前見た、ちょっと日焼けした顔とは裏腹に。


 涙が滲(にじ)み出てきた。


 近くにいた医師に一礼すると、その男性医師が、


「すでに小陽様のご遺体は火葬される予定です。こちらで手配をいたしました」


 と言った。