自殺Tube

 俺がそう言い、薬缶に水を入れて、ガス台に掛けた。


 お湯を沸かしながら、時折パソコンを立ち上げてあるテーブルの方を見る。


 理恵子がディスプレイを見ながら、口を開いた。


「何、この自殺Tubeって?」


「ああ。それは今ネット社会で流行ってるソフトらしいんだ。いろんな人間がそれを使って、自分のこの世での最後のシーンを撮るらしい」


「怖いわね」


「多分、都市伝説だろうって思うけどね。俺もたまたま有料でダウンロードしたけど」


「いくら掛かったの?」


「一万円ぐらいだったと思う。まあ、別に使うことはないだろうし」


「興味本位ってやつ?」


「ああ。バカバカしいけど、俺もそういうのには結構興味あってね」


「面白半分で手を出したら、危ないんじゃない?」